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2001/10/18 - Thu 21世紀の子供はかくなるものなり

今日は雨です。久々に雨がシトシト降っております。丁度イイくらいの寒気が肌に心地よいですね。

さて、今日は京王線で面白い広告を見ました。こんな感じ。

『ハムたろうのなんとか冒険 映画公開 12月15日ロードショー www.hamutaro.com』

「ハムたろう」とはどんなものかというと、彼女から聞かされた情報と目にした感じた情報をあわせると、

* どうやらハムスターをアニメ化したキャラである
* 5才程度の女の子が好んで見るテレビアニメである
* 大好きなのはひまわりの種である


とまぁこのようなものが「ハムたろう」なんだと。肝心の当キャラに対して「大好きなのはひまわりの種」というヒントしかないのだが、今回の問題には全く関係ないので気にしなくてよい。ちなみに当番組の主題歌では「だぁ〜いすきなのはぁ〜、ひ〜まわりのたねぇ〜」と歌われているらしいことを聞いたので、念のため確認したところホントにそう歌ってた。ということは、まぁそういうことなんだろう。

そのハムたろうなんだが、なるほど京王線の中吊り広告にこのように登場した通り大きな瞳をたたえたハムスターだが、二足歩行ができるような設定なんだろうか、このいでたちから、立ち、歩き、そしてしゃべることもできそうである。完全な味方キャラであろう主人公である。

まわりはザコキャラと思われるその他のキャラが描かれていることから、従来我が国のアニメがそうであるように非人間型味方キャラを中心にダメ少年とコンビを組み、数々のドジや困難を乗り越えていく系のストーリだろう。まぁドラえもんのハムスター版なのかもしれん。ともかく、このような「ハムたろう」が映画化されるとこの広告は唄っている。

さて、この広告だが、左に冒頭に書いた文言、右は大きな輪に書かれたハムたろうとそのドジキャラが仲良さ気に描かれており、5才程度あるいはその前後の年代層における児童に「我々はハムたろうである」ことを訴求している。おそらくは、この広告を見た5才程度の児童を連れたお母様あるいはお父様の会話はこのような感じと推測される。

◇京王線車中の会話◇
5才程度の女の子曰く「おかあさん、ハムたろういる!ハムたろう!」
それを連れた母曰く 「ああ、かわいーねぇー」


まぁ、母曰くのところは状況によって、あるいはその母のボキャブラリー力によっては「ホラ、ナニナニちゃんがいい子にしてるかなーって見てるよ」程度の脅迫をにおわすコメントが加えられるかもしれない。まぁこれに準拠した会話ではあろう。

では、視点を変えて、この会話の最中、彼らの心の声はどうであろうか。今回問題にしているのは「広告」である。人が見て、何を感じたかが大変重要である。このような考察を「効果測定」、適当なソーシャルラングエッジだと「マーケティング」とか言う。

◇京王線車中の会話 - WITH 心の声◇
5才程度の女の子曰く「ママ、ハムたろういる!ハムたろう!」
(ハムたろうだぁ、ハムたろう・・・うへへへ・・・)
それを連れた母曰く 「ああ、かわいーねぇー」
(あら、映画ですって。ウチの子も行きたいっていうのかしら? もし行きたいゆうたら、休日混んでる映画館にいくことになる はね・・・パパにお願いしちゃおうかしら・・・ついでに 買い物もさせてと・・・)

私は実に25歳の男子であるので、このような5才程度の子を連れた際の、ハムたろう広告における心境はよくはわからんが、大体こんなものじゃねーのかと推測している。

さて、ここからわかるように、この広告をみた子供は「うひゃひゃ、ハムたろうだ、えへへ」等、ハムたろうは確実にこの少年あるいは少女を捕らえ、見事にその存在をアピールできたと思われる。つまり、この絵は子供達へ向けたメッセージであると。一方、母の方は、ハムたろうには目も向けず、映画上映開始の事実とそこに向かう際のリスクを考慮した。場合によっては、夫への不満や、住宅ローンにまつわるエトセトラ等の雑念が混じるケースもあるが、「つれてかなあかん」ことに本題はつきる。

何が悪いかサッパリわからない?大問題である。この広告は誰に向けたものであろうか?

おもちゃ屋さんで、おもちゃを買ってもらうには、おもちゃを子供の視線に合わせて並べればよい。「これ買って、買ってぇ!!」と父母の手をひっぱり、涙でも流せばおもちゃ屋のおっさんは「しめたもの」とばかり心でガッツポーズである。映画も然りである。「ママ、ハムたろうみたい、ハムたろうにあいたいよー」と訴える事で、母は週末のプランを再計算するとともに、父に予定がなければ直ちに我が子の訴求を実現するよう、父の日曜日を「我が子をハムたろうに連れて行け」という命令とともに、自管理下に置く。

もう一度、冒頭をご覧頂きたい。ハムたろうの絵にヘロヘロになってしまう5才程度の子供が、果たして「映画」「公開」等という漢字を読むことができるのであろうか。これらの漢字は私の記憶が正しければ小学校第5学年の国語に習う漢字である。ハムたろう支持年代層の上の方では判読が可能であろうとも、大部分と思われるそれ以下の読解スキルしかない年代には、まるで訴求にならないことになる。しかしながら、この絵からして、もとより「ハムたろうの映画」なんてものは明らかに子供向けの商品であり、子供にまず「みたいみたい」いわせないとお話にならんのではないか?それなのに、漢字いっぱいのこの広告はふりがなさえもついてない。という事は、5才程度の児童はすでに「映画」も「公開」も判読可能ということが前提だってことになる。恐ろしい、最近のガキは頭がイイのだな。

さらに驚くべき文言がコレ↓

  『www.hamutaro.com

今考察した通り、子供に訴求する広告なのにも関わらず、このURLは、左部分に大変大きな字で書かれているのだ。京王線に乗った全ハムたろう世代に訴求する広告において、このURLを載せる動機・理由は一つしかない。「この文字列がURLであることを児童は理解する」ことが明白だっつーことです。というよりも、ハムたろうのホームページを何が悲しくて大の大人が見るんだ、という基本的なことからも断定できますな。となると、内容ももちろんこの世代をターゲットとしているのだろう。

「いいや、その母・父向けのサイトでしょう」・・・こうおっしゃりたいその安直な気持ちもよくわかる。しかしそれは違うだろう。アナタは、幼少の頃、「ペリーヌ」「ハイジ」「宇宙刑事シャリバン」を我が子が見るからといって、それらについて文献や本をあさり予習をし、我が子の質問に備えようと頑張る親を見たことがありますか?否、そのような需要は金輪際発生しえないのである。両親は我が子のみる番組を隣で見て、キャラの名前と特徴だけおぼえれば、我が子への対応はこなせることを知っている。それはよしとして、URLが載せられるということは、下のような会話がありうるという事に他ならない。

◇京王線車中の会話 ◇

5才程度の女の子曰く「ママ、ハムたろういる!ハムたろうの
          ホームページあるよ!スリーダブリューの
          ハムタロウ ドット コムだって。おうち
          かえったら、みたいみたい!!」

それを連れた母曰く 「ほんとだぁ、じゃあおうちかえったら見ようねぇ」


なんと、http:// がなくとも、www.〜.com という文字列が、ハイパーテキスト転送プロトコルにおけるドキュメントへのリンクであることを認知できる事を意味している。これが21世紀の子供の実態である。これを読んでる方の中で「WWW」ってなあに?「なんでホームページはHTTPがつくの?」とか知らないアナタ、焦ってください、ハムたろう世代はもう知っています。マウスでかちゃかちゃやって「ホラできた!」なんて喜んでる場合ではないのです。

これを裏付ける事実がありました。みなさんもご一緒にどうぞ、ハムたろうドットコムへ行ってみましょう。新しいウィンドーが開きます。安心してクリックしなさい。

ハムたろうドットコムを開く

このサイトを見て、皆さんはどう思われただろうか。ハムたろう・・・、ええ、カワイイですね。どうですか、この絵に子供が喜ぶ様が目に浮かぶようです。しかし待って下さい、画面上部のハムハムニュースには「あるよ!」「いこう!」等、呼びかけ言葉が使われています。やっぱり子供向けのサイトです。ところがどうでしょう、「情報」「案内」「劇場版」「大人気発売中」といった漢字、ホントに読めるんでしょうか・・・でも読めるんでしょうね、ドメインまで取ってサイトを開いてるくらいですからプロのやったことでしょう。

「そうじゃないよ、親子で見て楽しむように作られてるんだよ」って思いますか?アナタはそんなんでイイんですか!親子で一緒に見て楽しむならなぜに「ひらがな」を使わないの?「ひらがな」とは日本人が開発した「日本語50音における全ての発音を表記できる画期的言語」なんですよ。小学生に入る前の子供ですら判読率が高く、小学校1年で100%に達する言語なのであります。親子で一緒に見て楽しいサイトであれば、なぜにこの作者は「おともだち」「おとうさん・おかあさん」というメニューを作り、それぞれで内容をわけないのであろうか。いくらバカ中のバカでもサイトを作る時にはこのくらいの気は利くもんである。従って、このサイトの現状は「当然にしてこの形」であるといわざるをえない。さらに4つの大きな絵のメニュー、どう見ても子供へ訴求する表現である。大人向けなら 「映画館情報」「前売り券発売状況」といった、出資者である父母に対して有益なメニューが前面に来るのが当然である。

ということは、やっぱりハムたろうを見てキャッキャする子供達はかかれている内容を理解できる、と考えるのが理論的である。まぁよく考えれば、『PCの電源を入れ、ブラウザを立ち上げ、アドレス欄に スリーダブリュー、ハムタロウ、ドット、コムと入力し、エンター』を押せる子供達である、まぁこの程度の日本語はわけない事であろう。

いやはや、これが21世紀の子供達である。存分に期待しようじゃありませんか。



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