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MIDIについて詳しくない方のために、簡単な入門書を設けました。MMARSを始め、インターネットでMIDI音楽を楽しむために知っておきたいTIPSや、これからMIDIを始める方に役立つ知識について書いています。

◆Lesson 1 MIDIってなあに?

MIDIとは、Music Instruments Digital Interface の略で、デジタル楽器をつなぐための規格です。このファイルのなかには、「どの鍵盤をどのくらいの強さでひいたか」とか、「楽器をどのようにコントロールするか」等のデータが入っています。

パソコンで音楽を聴くためには、WAVやMP3等、色々な種類のファイルがありますが、これらのファイルが音のデータをそのままを保有しているのに対してMIDIファイルには音自体は収録されていません。つまり、このファイルだけでは音をならすことができないのです。 これはレコードと楽譜に喩えるとわかりやすいでしょう。レコード盤は、溝を針でひっかくことで音をならしますね。WAVファイルやMP3ファイルには、そういった溝が刻まれていますが、MIDIにはそのような直接音をだすための溝が刻まれていません。いわばMIDIファイルは楽譜です。それをみて、楽器を弾くことで初めて音が鳴るしくみになっています。

◆Lesson 2 どうやって聞くの?

パソコンでMIDIを聞くためには、パソコンで使う「楽器」が必要になります。用語では「MIDI音源」といいます。

MIDI音源は普通、パソコンの外に接続する装置で(外に接続するので「外付け音源」とよびます)この装置のなかには色々な「音のもと」が含まれています。MIDIファイルからデータを受信し、そのデータの指示通りにMIDI音源が音をならします。MIDIファイルが音源にとっての「楽譜」になるわけです。

メジャーどころでは、YAMAHA社のMUシリーズ、ROLAND社のSOUND CANVASシリーズがあります。どちらも5万円〜9万円ほどする装置ですが、外付け音源はパソコンとは独立した装置ですので、パソコンに負荷をかけません(計算能力やスペックを必要としないという意味です)。音も非常に高品質です。この音源と、後から説明する「シーケンサー」を組み合わせると、デジタル音楽に関してほとんどのことができてしまうのです。

しかし、最近はこのような高価な装置を買わなくても、「ソフト音源(ソフトシンセ)」と呼ばれる、MIDI音源装置の代わりをするソフトが出てきました。こちらも同じくYAMAHA社とROLAND社から発表されています。最近のパソコンの場合、買ったときにプレインストールされている場合が多いですが、もしこのようなプレインストール版を持ってない人でも、YAMAHAまたはROLANDのホームページでダウンロードすることができます。どちらも売り物ですので「体験版」として期間限定で無料で試用する事ができます。どちらも正規版は7000円前後と安いです。ただし、外付け音源と違いパソコンの中で音を出す処理まで行うため、パソコンへの負荷はかかります。古いパソコンでは音飛びやフリーズすることもあるので、ある程度スペックの高いパソコンが必要です。そうですね、最低でもメモリ128MB、CPU 400MHzは欲しいところです。

MIDIファイルのサイズは非常に小さいく、インターネットで音楽を鳴らす上で大分メジャーになってきました。今ではちょっとしたBGMならMIDIで鳴らしているサイトが多数を占めています。聞くだけであればソフトシンセがあれば十分でしょう。YAMAHA社のソフトシンセの代表は、S-YXG50/S-YXG70というソフトで、前者は、外付け音源のMU80とほぼ同じレベルの再生能力を持っています。またMID-PLUGとい再生用ブラウザープラグインもあります。両者とも「YAMAHA XG Top Page」で入手可能です。

ちなみに番外編ですが、Tu-Kaから出ている携帯電話 Funstyleシリーズ はGSエミュレータを積んでいます。 京セラのサイトから自分専用のページ経由で携帯にMIDIファイルを飛ばして再生したり着メロにできる というなんともオシャレでかつ画期的なコンセプトです。私も一時期使っておりました。MIDI再生・音質にはもうまったく申し分なかったんですが、こんな携帯でピコピコ楽譜を打ち込めるワケがなく、この携帯を使って着メロを作ることはあきらめました。しかも作ったMIDIは携帯の外には飛ばせないため、シーケンサーの役を果たさず(笑)おまけに携帯本来の機能がアホで使い勝手が悪く、漢字変換もバカ、もう二度とこのメーカーの携帯電話は買うまいと決心したものです(^^ゞ せっかく素晴らしいMIDI音源積んでるのにやりきれない思いでした。しかも高いし・・・

◆Lesson 3 MIDI規格なあに?

MIDIファイルにはいくつか規格があって、同じMIDIファイルと呼ぶのでも種類が違います。この規格の種類は、MIDIファイルがならす楽器の種類によって変わって来ます。楽器の種類にあったMIDIファイルが必要ということです。

MIDI音源・MIDIファイルにはGM、GS、XGという3種類の規格があります。GMはGeneral Midiとよばれ、すべてのMIDIの基本になっています。音の種類は128音です。そのGMをROLAND社がGSに発展させ、YAMAHA社がXGに発展させました。つまり、GMよりGSが上、GMよりXGが上ということです。そして、発展の仕方がROLANDとYAMAHAで違うため、XGとGSは完全には互換していません。GMベースで作っているという点、両者のGM範囲内の部分だけは共通しているので、GMのファイルはどの音源でも再生できます。しかし、これを越えた「XGの部分」「GSの部分」というのは、それぞれ異なる規格の音源では忠実に鳴らすことができません。

異なる部分というのは、わかりやすい例の一つに楽器保有数があります。LESSON1で述べたように、MIDI音源の中には音のもとが入っています。この音を呼び出す為に、MIDI音源はロッカーのようなものでその音をしまっています。そのロッカーを呼び出す為に、MIDIファイルの中へ音を呼び出す番号を記録しますが、このロッカーの配置とその番号に入っている音が、GSとXGで完全に一致していません。呼び出す番号は「プログラム(PRG)」と「バンク(BANK)」という2つの数字を使います。例えば、ピアノの音ならば「PRG 001のBANK 000」という形で使います。

例えば、こんなことは実際ないですが、XG音源の「PRG 001 BANK 004」に木琴の音が入ってたとしましょう。ところがGS音源で「PRG 001 BANK 004」にトランペットの音が入っていたとしましょう。もし、XG音源を持っている人が木琴のつもりで曲を組み、この番号を指定したMIDIファイルを作ったとします。これをGS音源で聞くとトランペットの音で再生されてしまうのです。このように、規格の違う音源では作った人の意図どおりに再生することができないのです。

今のは極端な例ですが、GSしか持っていないロッカー番号、XGしか持っていないロッカー番号というものは存在します。また、音の種類だけではなく、音を自分でエディットしたり特殊な音の出し方の命令といった細かい部分で、GSとXGでは違う部分があります。こうした「違う部分」は規格の違う音源では再現することができません。

MIDIファイルをインターネットからダウンロードしたり、お店で買うときに、必ずファイルと一緒に GMかGSかXGかの規格が書いてあるはずです。(MMARSではもれなく記載しています)また、インターネットでは規格の代わりに、作成した音源名を書いているホームページもあります。その場合の判別法は以下の通りです。

YAMAHA / MU*** / S-YXG** 等の単語が見られるものは XGファイルです。
ROLAND / SC** / SC**VL・PRO 等 の単語が見られるものは GSファイルです。

★XGファイルは YAMAHAのソフトシンセ、または外付けのMUシリーズを使って聞きます。
★GSファイルは ROLANDのソフトシンセ、または外付けのSCシリーズを使って聞きます。
GMファイルは どのソフトシンセ・外付け音源でも聞くことができます。

それと、同じ規格のファイルでも、音源のバージョン(新旧)によって追加されている音・信号・命令もありますので、「その音源が絶対必要だぞ!」という場合には、必要な音源が一緒の記載されているはずです。

それぞれの規格のあったMIDI音源・ソフトシンセでMIDIファイルを聞くことがベストです。

また、MIDI再生ソフトの中には、GS音源を使ってXGファイルの再生をエミュレート(擬似的に再現する)したり、逆にXG音源を使ってGSファイルの再生をエミュレートできるフリーソフトがあります。私は、TMIDI PLAYER というソフトを愛用しています。「窓の杜」からダウンロードできますので、興味のある方はインストールしてみましょう。ただし、このソフトを使いこなすには、少々MIDIの知識が必要です。

◆Lesson 4 どうやってつくるの?

イイMIDIファイルをたくさん聞いていると、ちょいと音楽をやっていた方なら、「これを自分で作りたい」と思うでしょう。イイ心がけです。MIDIをデスクトップで作るには、まず以下のものをそろえます。

・パソコン(早ければ早いほどイイですね)  ・シーケンスソフト  ・MIDI音源
・打ち込み用キーボード(PCのじゃなく鍵盤のやつです。MIDI OUTジャック必須)


MIDIファイルは、「シーケンサ」と呼ばれる装置・ソフトで作ります。 ちなみに、よくエレクトーン等でフロッピースロットがあるのを見たことがあると思います。あれはMIDIファイルをやりとりしているのです。エレクトーン独自の信号の入ったMIDIファイルでエレクトーンをコントロールしています。エレクトーンはこのようにMIDIファイルを作成する「シーケンサー」の機能も持ち合わせている、と考えることができます。

パソコンでは「シーケンスソフト」を使って作成します。 シーケンスソフトは五線譜に音符を貼り付けたり、ピアノロールといってオルゴールの溝を引っかくデコボコ板のような画面を使って音楽を作るようになっています。お値段は2万円前後と少々張りますけど、大体音源とパックになっているケースが多いです。新品を買うときにこれらを別々に買うと大損します、素直にパックで買いましょう。

また、打ち込み用キーボードがあるのとないのとでは、アナタのやる気と継続力、そして体力的な負担に大分差がでてきます。なんども言いますが、これはパソコンのキーボードじゃなくて、ピアノ鍵盤のついたキーボードです。シーケンスソフトへ膨大な量の♪をマウスでカチカチなんて打ってられません。32小節目あたりで幻覚が見えたり、パチンコにでかけたり、やれ気分転換にセックスでもした日にゃ、二度とそのファイルの続きを作る気にはなれないでしょう。したがってキーボードは用意するべきです。ヤフーオークションや中古の楽器屋でMIDIジャックのついたキーボードを買ってきましょう。そんなけたたましい機能がついてなくてイイです、鍵盤とMIDIジャックさえついてれば用は足ります。安いのなら数千円で手に入るでしょうし、それで十分なのです。

シーケンスソフトに話は戻ります。先に断っておきますが、間違えても、ではさっそくインターネットからダウンロードしてCDに焼いて使ってみよう、なんて考えはするべきではありません。まったくMIDIで何かを作ったことがない人ならマニュアルなしではとても使えるような代物では御座いません。マニュアルとにらめっこしながらでないと何も出来ないほどムズカしいものではないですけど、あてずっぽうで使いこなせるほど簡単ではないです(^^)

色々なソフトがでていますが、私はYAMAHAのXG WORKS4というソフトを使っています。XG音源を手にしたなら、このソフトを選べばもう間違い御座いません。当のYAMAHAが作ってるものですから。まぁ、この辺は自分の好きなのを選ぶとよいでしょう。 有名どころでは、CuBase、レコンポーザーといった候補もあります。

ここでは触れませんが、MIDIには色々な設定項目があります。ボリューム、明るさ、音色の発音方法、エフェクト・・・そのまま楽譜を打ちこんでも、まず生演奏しているようなものはできません。シーケンサーは大体1個の四分音符を480に分解した長さで編集できますから、こうした細かい単位の数字を一個一個自分で打ちこんだり、聞いては手直ししたりしてやっとこさ1つの音楽ができるのです。ホンキをだして、2分間の美しいピアノだけの曲を作ろうと思ったら、まず間違い無くウン時間とかかるでしょう。そのくらいMIDIは細かい作業と試行錯誤の結晶なのです。

そういった背景から、MMARSでは自作MIDIも含め、投稿ファイルに至る全てのMIDIファイルに私のコメントをつける事にしております。ファイルに対して敬意を払うという私の考えを表現しました。

CDからダビングしたMP3の音楽などと違って、MIDIの世界ではゼロからスタートします。楽譜作りから始まり、音色・音の出し方までの全てを自分で作りあげていくのです。「おお、カッコイイ音楽が流れてきたなー」とか「キレイな曲だなぁ」と直感的に思ったなら、そのMIDIファイルには間違いなく莫大な時間と手間がかかっています。インターネットでは気軽にダウンロードし再生して楽しむことができますが、作者のこうした努力のもとでやっとこ作り上げられたファイルであることをちょっと知っておいてください。

フリー/ご自由にお使い下さい等とハッキリ明記していない人のファイルを、勝手にWEBサイトに使用したり、誰でもダウンロードできるようにしたり、どこかに投稿したりしては絶対にいけません。また、感動したファイルを聞いたときには、その作者さんに1通メールを送ってあげるなどのお心添えなんてイイと思います。こうした「感想メール」が我々MIDIerにとって一番ウレシイことなんですよ。


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